本記事は、Cabling Cert Techニュースレター(2026年8月25日配信)のアーカイブ記事です。
100mを超えるEthernet配線、どのように評価すべきでしょうか?
TIAやISO/IECの情報配線規格では、Ethernetチャネルの最大長は100mと規定されています。しかし実際の現場では、既存設備の制約や機器の設置位置などから、「あと少しだけ延ばしたい」というケースもあります。
では、100mを超えるEthernet配線は、どのように評価すればよいのでしょうか?
今回Cabling Cert Techでは、Fluke Networks Knowledge Base「Testing Extended Length Vendor-Specified Channels」を日本語化し、100mを超えるEthernet配線とVendor-specific Limitsについて独自の技術解説を加えました。
特に重要なのは、「規格外だから試験しなくてもよい」のではなく、「規格外だからこそ、メーカーが定める条件に基づいて適合確認試験を行うことが重要」という考え方です。
この記事で整理している技術ポイント
メイン記事では、100mを超えるEthernet配線を理解するために、次のポイントを整理しています。
・なぜEthernetの標準チャネル長は100mなのか
・Extended Reach Ethernetとは何か
・Vendor-specific Limitsとは何か
・DSX CableAnalyzerでどのように試験するのか
・100mを超える配線では、なぜメーカー指定条件の確認が重要なのか
100mという数値は、「それを超えた瞬間に通信できなくなる距離」を意味するものではありません。一方、100mを超える配線はTIAやISO/IECで規定される標準チャネルの範囲外となるため、標準規格への適合とは切り分けて考える必要があります。
Extended Reach Ethernetでは、配線システムメーカーが定める設計条件や適用条件を確認し、指定されたVendor-specific Limitsを用いて配線システムを評価することが重要になります。
記事はこちら
100mを超えるEthernet配線はどのように試験すべきか|Fluke Networks KBより
フルーク・ネットワークスのナレッジベース(KB)の日本語化に加え、Cabling Cert Tech独自の技術解説として、100mの意味、Extended Reach Ethernet、Vendor-specific Limits、DSX ケーブルアナライザーによる試験方法まで整理しています。
DSX CableAnalyzerとVendor-specific Limits
Fluke NetworksのDSX CableAnalyzerシリーズには、配線システムメーカーが提供するVendor-specific Limitsがテストリミットとして登録されています。
Extended Reach Ethernetを評価する場合は、対象メーカーが指定するVendor-specific Limitsを選択することで、メーカーが定める試験条件に対するPass/Fail判定を実施できます。
ただし、この試験結果はTIAやISO/IECの標準規格への適合性を示すものではありません。また、Passという結果だけで自動的にメーカー保証が成立するわけでもありません。使用するケーブルや接続部材、配線長、施工条件など、メーカーが定める設計・保証条件をあわせて確認する必要があります。
関連資料|Versiv・DSX CableAnalyzer最新情報
DSX CableAnalyzerに登録されるVendor-specific Limitsは、Versivシリーズのファームウェア更新に伴って拡充されています。
例えば、Versiv Version 6.13では、CommScope SYSTIMAXおよびPanduit向けのExtended Reach Ethernet用Vendor-specific Limitsが追加されています。
Versivシリーズの最新ソフトウェア情報や日本語リリースノートについては、以下のページでご覧いただけます。
Versiv Version 7.1 Build 1|リリースノート・関連資料
このような方におすすめ
この記事は、次のような方の参考資料としてご活用いただけます。
・100mを超えるLAN配線を検討している方
・Extended Reach Ethernetの考え方を整理したい方
・標準規格の100mとメーカー独自仕様の違いを理解したい方
・DSX CableAnalyzerによる配線試験に携わる方
・Vendor-specific Limitsの役割を理解したい方
・ネットワーク配線の設計・施工・試験に携わる方
関連技術記事
Extended Reach Ethernetについては、Cabling Cert Techで各メーカーの技術情報やソリューションも紹介しています。
■ CommScope GigaREACH XL
【技術解説】GigaREACH XL 長距離PoE|最大250m・90W対応
■Aginode Extended Reach Ethernet
なぜ100mを超えるLAN配線が可能になるのか?Aginode「LANmark-6A EXTP」が実現するExtended Reach Ethernetの設計思想
各メーカーによって、対応する伝送速度、最大配線長、使用するケーブルや接続部材、PoE条件、保証条件などは異なります。メイン記事とあわせて、それぞれのソリューションの違いを理解する参考資料としてご覧ください。
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