無線アクセスポイント(AP)やIP監視カメラの設置では、限られたスペースでLANケーブルを接続するケースがあります。このような用途では、水平配線の端末をRJ45プラグで直接終端するMPTL(Modular Plug Terminated Link)という配線構成も利用されます。
Cabling Cert Techのパートナー企業である日本製線株式会社から、こうした機器への直接接続を想定した24AWG Cat.6A対応RJ45シールドモジュラープラグ「NSP100-C6A-S」が発売されました。
本製品は、耐久性に配慮した独自の「ラビットラッチ®」を採用し、PoE・PoE+・4PPoEにも対応しています。また、チャネル、MPTL、DA Cablingの伝送性能に対応していることも特長です。
本記事では、NSP100-C6A-Sの主な特長と適用条件に加え、MPTLによる接続、F/UTP・SF/UTPケーブルの施工方法、認証試験で押さえておきたいポイントを紹介します。
無線アクセスポイントや監視カメラへの直接接続に対応
無線アクセスポイントやIP監視カメラなどへのLAN配線では、機器への接続方法も設計上の検討事項となります。
一般的な構内配線では、水平配線の終端にモジュラージャックを設け、パッチコードを介して機器へ接続します。一方、設置条件によっては、水平配線の端末にRJ45プラグを直接成端し、機器へ接続する構成も採用されます。
NSP100-C6A-Sは、このような用途を想定した24AWG Cat.6A対応RJ45シールドモジュラープラグです。指定されたF/UTPおよびSF/UTPケーブルと組み合わせて使用します。
NSP100-C6A-Sの主な特長
耐久性に配慮した「ラビットラッチ®」
本製品は、日本製線独自のアーチ型ラッチ「ラビットラッチ®」(特許取得済み)を採用しています。
RJ45プラグのラッチは、接続・取り外しの際に繰り返し力が加わる部分です。ラビットラッチ®は耐久性に配慮した構造で、プラグの取り扱いやすさを考慮しています。
製品仕様書では、プラグ挿抜耐久性750回超、プラグ保持力50N超とされています。
PoE・PoE+・4PPoEに対応
NSP100-C6A-Sは、IEEE 802.3af(PoE)、IEEE 802.3at(PoE+)、IEEE 802.3bt(4PPoE)に対応しています。
無線アクセスポイントやIP監視カメラなど、LANケーブルを通じてデータ通信と電力供給を行う機器への接続に利用できます。
ただし、PoE配線ではプラグ単体の対応だけでなく、ケーブル、配線経路、給電条件などを含めて適切に設計することが重要です。
Cat.6A配線性能とMPTLへの対応
チャネル・MPTL・DA Cablingの伝送性能
日本製線の製品仕様書では、NSP100-C6A-Sについて、以下の伝送性能が記載されています。
| 規格 | メーカー公表の伝送性能 |
|---|---|
| ANSI/TIA-568.2-E | Category 6A Channel、MPTL |
| ISO/IEC 11801-1 | Class EA Channel、MPTL、DA Cabling |
また、エイリアンクロストークについても、チャネルの性能要件を満たすとされています。
ここで重要なのは、Cat.6A対応という製品仕様と、実際の配線構成に対する性能評価を区別することです。
配線の性能を正しく評価するには、対象となる配線構成に対応した試験方法を使用する必要があります。
なお、日本製線は、NSP100-C6A-Sについてパッチコード試験の性能は保証対象外と明記しています。
MPTLとは
MPTL(Modular Plug Terminated Link)は、水平配線の機器側端末をモジュラージャックではなく、RJ45プラグで直接終端する配線構成です。
無線アクセスポイントや監視カメラなど、設置位置が固定された機器に直接接続する用途で利用されます。
MPTLの認証試験では、一般的に一端にパーマネントリンクアダプター、プラグ終端側にパッチコードアダプターを使用します。これにより、プラグ終端部を含むリンク全体の伝送性能を評価します。
NSP100-C6A-Sを使用する場合も、メーカー指定のケーブルと正しい成端方法を守り、MPTLに対応した試験アダプターとテストリミットを選択することが重要です。
適用ケーブルと製品仕様
NSP100-C6A-Sは、24AWG単線の指定シールドケーブルに対応しています。

出典:日本製線株式会社「NSP100-C6A-S 成端手順書」
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 製品型式 | NSP100-C6A-S |
| カテゴリ | Cat.6A |
| コネクタタイプ | RJ45シールド |
| 適用導体 | 24AWG単線 |
| 適用絶縁体外径 | 0.97~1.03 mm |
| 適用ケーブル外径 | 7.3~7.8 mm |
| 適用F/UTPケーブル | 4P NSGDT6-10G-S、4P EM-NSGDT6-10G-S |
| 適用SF/UTPケーブル | 4P NSGDT6-10G-SB |
| 指定圧着工具 | NST88 |
| 重量 | 3.7 g |
| 使用温度範囲 | −10~60℃ |
| 保護等級 | IP20(屋内用) |
| 梱包数量 | 100個/箱 |
適用ケーブルや適用寸法は、製品の施工品質と伝送性能を確保するうえで重要な条件です。
24AWG単線であっても、任意のCat.6Aケーブルとの組み合わせで性能が保証されるわけではありません。 製品選定時には、メーカー指定のケーブルを確認してください。
F/UTP・SF/UTPケーブルの施工上の注意点
NSP100-C6A-Sには、F/UTPケーブル用とSF/UTPケーブル用の成端手順が用意されています。
F/UTPは、4対のより対線を全体の箔シールドで覆う構造です。一方、SF/UTPは箔シールドに加えて編組シールドを備えています。
このため、両者ではシールド材の処理方法が異なります。
F/UTPケーブルの場合
対象ケーブルは、4P NSGDT6-10G-S、4P EM-NSGDT6-10G-Sです。
成端時には、外被の除去、遮蔽テープおよびドレインワイヤーの処理を行い、プラグ内部の金属部分と適切に接触するように施工します。
SF/UTPケーブルの場合
対象ケーブルは、4P NSGDT6-10G-SBです。
編組シールドを備えているため、外被除去後の編組処理がF/UTPとは異なります。編組がプラグ内部の金属部分に適切に接触するように成端します。
専用圧着工具と施工品質の確認
いずれのケーブルでも、専用圧着工具「NST88」を使用します。
また、メーカーは成端品質を維持するため、NO-GOゲージ「NSPGAUGE」によるクリンプハイトの定期的な確認を推奨しています。
シールドケーブルの成端では、心線の配列や圧着状態だけでなく、シールド材とプラグ金属部分の接触状態にも注意が必要です。
公式成端動画で施工方法を確認
日本製線は、NSP100-C6A-Sの成端方法について、F/UTP用とSF/UTP用の2種類の公式動画を公開しています。
ケーブル構造によって遮蔽材の処理方法が異なるため、施工するケーブルに対応した動画を参照してください。
F/UTPケーブルの成端方法
対象:4P NSGDT6-10G-S、4P EM-NSGDT6-10G-S
▶️ NSP100-C6A-S|F/UTPケーブル成端動画(日本製線公式YouTube)
SF/UTPケーブルの成端方法
対象:4P NSGDT6-10G-SB
▶️NSP100-C6A-S|SF/UTPケーブル成端動画(日本製線公式YouTube)
実際の施工では、公式動画と最新の成端手順書を併せて確認してください。
まとめ
日本製線の「NSP100-C6A-S」は、無線アクセスポイントや監視カメラなどへの直接接続を想定した、24AWG Cat.6A対応RJ45シールドモジュラープラグです。
独自のラビットラッチ®、PoE・PoE+・4PPoE対応に加え、チャネル、MPTL、DA Cablingの伝送性能に対応していることが特長です。
施工・測定にあたっては、指定ケーブルと専用工具の使用、ケーブル構造に応じたシールド処理、MPTLに適した試験方法の選択が重要です。
また、パッチコード試験の性能が保証対象外である点にも注意が必要です。
製品情報・関連資料
▶NSP100-C6A-S 成端手順書:上記公式製品ページからダウンロードできます。
製品に関するお問い合わせ
NSP100-C6A-Sの製品仕様、適用ケーブル、施工条件、お見積もりなどについては、日本製線株式会社へお問い合わせください。
日本製線株式会社
公式サイト:https://nscable.co.jp/


