― Fluke Networks 公開情報にもとづく技術整理 ―
- 本資料は、Fluke Networks が公開している製品情報・技術資料・業界規格をもとに、公開情報を前提として、現場での測定・検証業務に携わる立場から、第三者視点で整理・解説したものです。製品仕様の公式解釈や最終判断については、必ずメーカー公式情報をご参照ください。
- 本資料は、Fluke Networks の公式ドキュメントを補足・代替するものではありません。
データセンターの高速化・高密度化が急速に進む中で、測定手法や測定器の選定を誤ると、施工後のトラブルや検収遅延につながるケースも見られます。
本記事では、そうした判断を行う際の「前提整理」を目的としています。
目次
第1章 製品概要と開発背景
1.1 製品位置づけ
CertiFiber Max は、2026 年 1 月 20 日に発表された、Fluke Networks が「第3世代」と位置づける光ロステストセット(OLTS)です。
Versiv™ プラットフォーム上で動作し、LinkWare™ と統合された高密度マルチファイバー認証測定器として設計されています。
ここで押さえておきたいのは、CertiFiber Maxが単なる「測定速度の速い新製品」ではなく、高密度化が進む光ファイバー環境を前提に設計された測定器だという点です。
1.2 開発背景:なぜ今この製品が必要なのか
CertiFiber Max が登場した背景には、データセンター環境そのものの急激な変化があります。
具体的には、以下のような変化が同時に進行しています。
1.2.1 AI・クラウド負荷の増大
AI 処理やクラウドサービスの拡大により、ネットワークは 800G、1.6T、3.2T といった超高速領域へ急速に移行しています。
ハイパースケーラーでは、すでに 3.2T 対応を前提とした準備も進められています。
こうした環境では、従来よりも光ファイバーの性能マージンが小さくなり、測定結果のわずかな誤差が無視できなくなります。
1.2.2 光ファイバー密度の爆発的増加
配線方式も大きく変化しています。
従来の MPO-12 を中心とした構成から、MPO-16、MPO-24、さらに MMC(Very Small Form Factor)といった次世代コネクタへの移行が進んでいます。
MMC コネクタは、従来の MPO と比較して 約3倍の接続密度を実現します。1U パネルあたり最大 6,336 ファイバー接続が可能になる一方で、測定や検証の難易度は大きく上がります。
1.2.3 性能マージンの縮小
AI 向けネットワークでは、ウルトラ低損失規格への対応が求められます。
その結果、施工品質だけでなく、測定精度そのものが従来以上に重要になっています。
測定手法やリファレンス方式の違いが、そのまま合否判定や再施工リスクに直結するケースも珍しくありません。
1.2.4 現場の課題
一方で、現場では次のような課題も顕在化しています。
- 熟練技術者の不足
- 従来測定器では 24 ファイバー同時測定に非対応
- ファンアウトケーブルやアダプター使用による構成の複雑化
- それに伴うエラーリスクの増大
こうした条件が重なった結果、「測れるはずのリンクが、安定して測れない」という状況が生まれやすくなっています。
このような背景を踏まえると、従来と同じ測定手法・測定器を前提にした運用が、必ずしも最適とは言えなくなってきていることが分かります。
次の章では、CertiFiber Max が従来の光ファイバー測定と何がどのように異なるのかを、測定手法の観点から具体的に整理します。
第2章 主な特徴・新機能(従来機との差別化)
第1章で整理したように、データセンター環境は高速化・高密度化が同時に進行しており、従来の測定手法や測定器では、作業効率や測定精度の面で限界が見え始めています。
この章では、CertiFiber Max が 従来の第1〜第2世代の測定器と何が異なるのかを、具体的な機能差と技術要素の観点から整理します。
2.1 第3世代の革新的機能
まず全体像として、CertiFiber Max(第3世代)と従来製品(第1〜第2世代)の違いを主要な項目ごとに比較します。
ここで重要なのは、これらの違いが単なる「スペック向上」ではなく、測定手法の考え方や現場作業の流れそのものに関わる違いであるという点です。
従来の測定器との主な違い(比較表)
| 項目 | OLTS(光ロステストセット) | OTDR(光時間領域反射測定器) |
| 測定目的 | リンク全体の損失と長さを測定し、規格適合を検証(認証測定) | ファイバー内部の反射・損失を距離ごとに可視化(診断測定) |
| 測定方法 | 両端に光源と検出器を配置し、エンドツーエンドで測定 | 片端からパルス光を送り、反射光を解析 |
| できること | ・リンク全体の損失値・Pass / Fail 判定・長さ測定 | ・コネクタ・融着点の位置と損失・断線・曲げ損失の特定・ファイバー全長のトレース |
| できないこと | ・損失の発生箇所特定・ファイバー内部の詳細診断 | OTDR単独では対応できないこと(認証測定の観点) ・エンドツーエンドの正確な損失値(認証測定) ・規格認証測定への直接利用(OLTSによる測定が前提) |
※ 本表は、OLTSとOTDRの優劣を示すものではなく、認証測定と診断測定における役割の違いを整理したものです。
一方で、断線位置の特定や融着点ごとの損失確認といった詳細診断には、引き続き OTDR が不可欠です。つまり、第3世代の測定器であっても、「1台ですべてを測る」ことを目指しているわけではないという点を、ここで明確にしておく必要があります。
なお、OTDRは診断用途において非常に強力な測定器ですが、エンドツーエンドの損失値を用いた規格認証測定には適さず、OLTSとは役割が明確に分かれています。
2.2 革新的技術要素
ここからは、表で示した違いを生み出しているCertiFiber Max の中核となる技術要素を、順に見ていきます。
2.2.1 UniPort™ アダプターシステム
UniPort™ は、現場で交換可能なアダプターシステムです。
MPO-12/MPO-16/MPO-24 に加え、MMC-16/MMC-24 にネイティブ対応し、ピン付き・ピンなしの両構成をサポートします。
ここで重要なのは、コネクタの違いに合わせて測定器側を“作り替える必要がない*という点です。
これにより、
- テスター本体の物理的な保護
- 将来の新規格への柔軟な対応(アダプター交換のみ)
- 測定器を長期的に使い続けられる投資価値
といったメリットが生まれます。
これは、測定の効率化だけでなく、将来の規格変化を見据えた投資判断という観点でも重要な要素です。
2.2.2 業界推奨の 1-jumper リファレンス法
CertiFiber Max は、業界標準として推奨されている1-jumper リファレンス法を真に実現しています。
この方式では、測定不確実性を最小限に抑えながら、両端コネクタ損失を正確に含めた測定が可能です。従来の環境では、ファンアウトケーブルを用いた3-jumper 構成が必要になるケースもあり、設定ミスや誤差のリスクが避けられませんでした。1-jumper 法の採用は、測定精度だけでなく、作業の再現性を高めるという意味を持っています。
2.2.3 測定精度管理機能
高密度・低損失環境では、測定精度そのものを「管理」する仕組みが欠かせません。
CertiFiber Max では、
- TRC(テストリファレンスコード)の使用回数カウント
- 汚染・劣化した TRC による測定ミスの防止
- リファレンス設定後の経過時間追跡
といった機能が統合されています。
これにより、「測定器は正しく使われていたか」という点まで含めて、測定結果の信頼性を担保しやすくなります。
2.2.4 統合ワークフロー
測定後のデータ管理も、従来とは大きく異なるポイントです。
CertiFiber Max は、Wi-Fi 経由で LinkWare™ Live に直接アップロードでき、遠隔からのテストパラメータ設定やプロジェクト管理に対応しています。
複数の測定器で取得した結果を一元管理し、レポートを自動生成できるため、
- 現場作業
- 管理者による確認
- 顧客への提出
までの流れが、ひとつのワークフローとして整理されます。
このように第2章では、CertiFiber Max が 「速く測れる測定器」ではなく、測定・検証・管理を含めた一連の作業を前提に設計された測定器であることが見えてきます。
次の章では、こうした機能が実際の現場作業や検証フローをどのように変えるのかを、もう一段具体的に見ていきます。
第3章 現場作業・検証フローはどう変わるのか
第2章で見てきたように、CertiFiber Max の特徴は、測定速度や対応コネクタといった個別機能の違いにとどまりません。より重要なのは、測定準備から検証、結果の管理に至るまでの作業フローそのものが変わるという点です。
この章では、従来の測定器を用いた作業と比較しながら、CertiFiber Max を導入した場合に、現場作業がどのように変化するのかを整理します。
3.1 測定準備フェーズの違い
3.1.1従来の測定フロー(MPO-24 を1ファイバーずつ測定する場合)
従来の測定器で MPO-24 リンクを測定する場合、測定作業は以下のような手順を前提としていました。
まず、MPO-24 を 24 本の LC に分岐するためのファンアウトケーブルを準備します。次に、LC リファレンスケーブルを用いて OLTS のリファレンス設定を行います。
その後、
- 1 本目のファイバーを測定
- ファンアウトケーブルの接続を変更
- 2 本目を測定
という作業を繰り返し、
合計 24 回の測定を実施する必要がありました。
この方法では、
- ファンアウトケーブルの接続変更
- 測定回数の増加
- 測定ミスや接続ミスのリスク
が避けられず、測定ファイバー数が増えるほど作業負荷が大きくなります。
3.1.2 CertiFiber Max の測定フロー
一方、CertiFiber Max では、測定準備と実作業の考え方が大きく変わります。
MPO-24 のリファレンスケーブルを用いて OLTS を校正する作業は 1 回のみ。
その後は、テスト対象の MPO-24 リンクを接続するだけで、
- 24 ファイバーを一括測定
- 測定時間は 1 秒以内
- 極性も自動で検出
という流れで測定が完了します。
ここで重要なのは、測定時間の短縮だけでなく、測定手順そのものが単純化されているという点です。
3.2 時間短縮の意味をどう捉えるべきか
資料やレポートでは、「3 日かかっていた作業が 1 日で完了した」といった表現が使われることがあります。
ただし、これは測定ファイバー数が数百〜数千本規模の大規模プロジェクトを想定した話です。
一方で、
- 数十本程度の小規模案件
- 測定本数が限られた現場
では、従来機でも大きな問題が生じないケースもあります。
つまり、CertiFiber Max の価値は、すべての現場で劇的な時間短縮をもたらすことではなく、
- 測定本数が多い
- 同じ作業を繰り返す
- 人為的ミスを極力減らしたい
といった条件が重なる現場で、効果が顕在化しやすい測定器であると捉えるべきです。
3.3 データ管理・レポート作成の変化
測定後のデータ管理も、従来とは大きく異なります。
CertiFiber Max は Versiv™ プラットフォーム上で動作し、LinkWare™ と統合されています。
これにより、
- 測定データの自動保存
- クラウドとの同期
- Pass / Fail 判定の自動化
- 複数測定器の結果の一元管理
といった処理が、測定作業と同時に進行します。
結果として、
- 現場での測定
- 管理者による確認
- 顧客へのレポート提出
までの流れが、ひとつのワークフローとして整理されます。
3.4 導入時の注意点
一方で、いくつか注意すべき点もあります。
- LinkWare™ の利用には、製品仕様によってはライセンス契約が必要となる場合があります。
- クラウド同期を前提とする場合、現場でのネットワーク環境(Wi-Fi やモバイル回線)が求められます。
CertiFiber Max は、「測定器単体」で完結する設計というよりも、測定・検証・管理を含めた運用全体を前提とした測定器です。
そのため、導入にあたっては、測定作業だけでなく、現場のネットワーク環境や運用体制も含めて検討する必要があります。
第3章のまとめ
この章で見てきたように、CertiFiber Max がもたらす変化は、単なる作業時間の短縮ではありません。
- 測定手順の単純化
- ミスが入り込む余地の削減
- 測定結果の扱い方そのものの変化
といった点にこそ、本質があります。
次の章では、こうした変化が どのような現場・プロジェクトに向いているのかを、具体的な利用シーンに即して整理していきます。
第4章 どんな現場・プロジェクトに向いているか
第3章では、CertiFiber Max によって現場作業や検証フローがどのように変わるのかを整理しました。
本章ではそれを踏まえ、現場やプロジェクトの立場から見て、その変化が「どのような現場で意味を持つのか」という観点から、導入効果の出やすいケースと、従来機で十分なケースを整理します。
以下の表は、「CertiFiber Max を導入すべき/すべきでない」という結論を示すものではなく、導入効果が現れやすい条件を整理したものです。
効果が出やすいケース
| ケース | 理由 |
| 大規模データセンターの新規構築 | 数千〜数万本のファイバー測定が必要。測定時間の短縮が直接的なコスト削減につながる |
| MPO-24、MMCなど高密度コネクタを多用 | ネイティブ測定により、ファンアウトケーブルの準備・交換作業が不要 |
| 短納期プロジェクト | 測定時間の短縮が納期短縮に直結 |
| 極性確認が複雑な配線 | 自動極性検出により、手作業でのチェックミスを防げる |
| 測定データの一元管理が求められる | LinkWare™統合により、複数現場・複数測定器のデータを統合管理 |
従来機でも足りるケース
| ケース | 理由 |
| 小規模プロジェクト(数十本程度) | 測定時間の短縮効果が相対的に小さい。既存測定器の活用を優先すべき場合もある |
| MPO-12が主体 | 従来機でも比較的スムーズに測定可能 |
| 診断測定が主目的 | OLTSではなくOTDRが必要 |
| 予算制約が厳しい | 第3世代OLTSは導入コストが相対的に高くなる場合がある。既存測定器の活用を優先すべき場合も |
導入判断のチェックリスト
以下の質問に「はい」が多いほど、CertiFiber Maxの導入効果が高い。
- 年間の測定ファイバー数が数千本以上である
- MPO-24やMMCなど高密度コネクタの測定が頻繁にある
- 測定作業の時間短縮が、プロジェクト納期や人件費に直接影響する
- 複数の測定器・現場のデータを一元管理する必要がある
- 熟練技術者の不足が課題になっている
- 今後、800G/1.6T/3.2T対応のプロジェクトが増える見込みがある
なお、チェック項目にすべて当てはまらない場合でも、プロジェクトの性質や将来的な拡張計画によっては、導入を検討する価値があるケースもあります。
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第5章 注意点と誤解しやすいポイント
ここまで見てきたように、CertiFiber Max は
測定作業の効率と再現性を大きく向上させる第3世代の光ロステストセットです。
一方で、どのような測定器にも「得意な役割」と「担えない役割」があります。
この章では、CertiFiber Max を正しく活用するために、あらかじめ理解しておくべき注意点と、誤解されやすいポイントを整理します。
5.1 CertiFiber Max でも代替できない作業
OLTS と OTDR は、「どちらが上」という関係ではなく、それぞれ役割が異なる測定器です。
5.1.1 診断測定にはOTDR が必要
CertiFiber Max は OLTS(光ロステストセット)であり、リンク全体の損失が規格に適合しているかを確認するための測定器です。
そのため、
- どの位置で損失が発生しているのか
- どのコネクタや融着点に問題があるのか
といった 詳細な位置情報までは把握できません。
実際の現場では、
- コネクタ損傷
- 融着不良
- 断線や曲げ損失
といったトラブルシューティングには、依然として OTDR が不可欠です。
また、「Pass 判定が出ている=将来も問題が起きない」というわけではありません。
Pass / Fail は あくまで現時点での規格適合の判定であり、劣化の兆候や潜在的リスクの把握には、別途診断測定が必要です。
5.2 リファレンス設定の重要性
CertiFiber Max の測定精度は、リファレンス設定が正しく行われていることを前提としています。
リファレンス設定が不適切な場合、
- 測定値そのものが意味を持たなくなる
- 正しく見えていても、実際は誤差を含んでいる
といった問題が起こり得ます。
一般に、0-jumper / 1-jumper / 3-jumper のどの方式を使うべきかは、測定目的と適用規格によって決まります。
CertiFiber Max は 1-jumper 法を前提に設計されており、
- TIA-568
- ISO/IEC 11801
といった認証測定には適しています。
一方で、社内基準や独自ルールがある場合は、事前に適合性を確認する必要があります。
※ 本記事では詳細な図解は割愛するが、現場では必ず規格文書やメーカー手順を参照すること。
5.3 コネクタ清掃は依然として必須
測定器がどれだけ高速・高精度になっても、汚れたコネクタでは正確な測定はできません。
特に、
- 高速化
- 高密度化
が進む現在の環境では、コネクタ汚損の影響は むしろ大きくなっています。
CertiFiber Max の測定が速いからといって、
- 清掃を省略する
- 目視確認を怠る
といった運用は、誤測定やトラブルの原因になります。
測定前の清掃・検査は、従来どおり必須プロセスです。
5.4 「万能測定器ではない」ことの明確化
CertiFiber Max は多機能ですが、すべてを1台で完結させる測定器ではありません。
できないことと、適切な代替手段を整理すると、以下のようになります。
| できないこと | 代替手段 |
| 損失発生箇所の特定 | OTDR |
| コネクタ端面の検査 | ファイバースコープ |
| ファイバー内部の曲げ損失可視化 | OTDR |
| 長距離リンクの詳細診断 | OTDR |
| 既設ファイバーの劣化診断 | OTDR+端面検査 |
重要なのは、「できない」ことを欠点と捉えるのではなく、役割分担として理解することです。これは Fluke Networks が一貫して示している「適材適所の測定」という考え方とも一致します。
5.5 適切な使い分けの考え方
CertiFiber MaxX は、以下のような位置づけで使うと効果を最大化できます。
- 新規施工の認証測定
→ OLTS(CertiFiber Max) - トラブルシューティング・診断
→ OTDR - 予防保全・定期点検
→ OTDR+エンドフェース検査 - 高速・高密度環境の認証測定
→ 第3世代 OLTS(CertiFiber Max)
CertiFiber Max は、「何でもできる測定器」ではなく、測定・検証・管理を効率化するために最適化された測定器です。
この前提を理解したうえで導入すれば、現場の作業品質と再現性を大きく引き上げることができます。
第6章 まとめ—— 自分の現場では、どう判断すべきか
ここまでの記事では、CertiFiber Max がどのような測定器であり、どのような現場で効果を発揮しやすいのかを、作業フロー・運用・注意点という観点から整理してきました。
最後に、本記事で整理してきたポイントを振り返りながら、
「自分の現場ではどう判断すべきか」という視点でまとめます。
この記事で整理してきたこと
本記事で明らかにしてきたポイントは、次のとおりです。
- CertiFiber Max は、データセンターの高速化・高密度化に対応するために登場した、第3世代の OLTS(光ロステストセット)であること
- 24ファイバーの一括測定により、測定時間を大幅に短縮できるが、その効果の大きさは測定規模に依存すること
- OLTS はあくまで「認証測定」のための測定器であり、診断やトラブルシューティングには OTDR が必要であること
- 1-jumper リファレンス法は、TIA-568 などの規格適合判定に適している一方で、測定目的によっては他の方法を検討すべき場合があること
- 導入効果が特に高いのは、大規模・高密度・短納期といった条件を持つプロジェクトであり、小規模案件では従来機で十分なケースもあること
CertiFiber Maxx は「万能な測定器」ではありませんが、条件が合えば、現場の作業効率と再現性を大きく引き上げる測定器である、という位置づけが見えてきます。
判断のための問いかけ
では、自分の現場ではどう判断すればよいのでしょうか。
導入を検討する際には、次のような問いを立ててみることが有効です。
- 年間で、どの程度の本数のファイバーを測定しているか
- MPO-24 や MMC など、高密度コネクタの測定頻度はどのくらいか
- 測定時間の短縮が、納期や人件費にどれだけ影響しているか
- OTDR との併用体制は整っているか
- 測定データの管理やレポート作成に、課題を感じていないか
これらの問いに対する答えは、現場ごとに異なります。
「はい」が多い現場ほど、CertiFiber Max の導入効果は高くなると考えてよいでしょう。
最後に —— 道具と目的を混同しない
CertiFiber Max は、高密度化と短納期が求められる現場において、認証測定を効率化するために最適化された測定器です。
しかし、「最新の測定器を使えば、すべての問題が解決する」というわけではありません。
重要なのは、
- 測定目的を明確にすること(認証か、診断か)
- 適切なリファレンス法を選択すること
- コネクタ清掃やエンドフェース検査といった基本を省略しないこと
- OTDR と役割分担した運用を前提に考えること
といった測定の前提条件を正しく理解することです。
これらを押さえたうえで、
自分の現場の課題や将来的な計画と照らし合わせて導入を判断すること——
それが、最も現実的で、後悔の少ない選択につながります。
参考資料
- Fluke Networks 公開資料・製品情報
- 業界標準規格(TIA-568.3-D / ISO/IEC 11801-1)
- 公開情報をもとにした独自調査・整理
免責事項
本記事は、公開されている製品情報・技術資料・業界規格をもとに、独自に整理・解釈した技術解説記事です。本特定製品の推奨や導入を促すものではありません。実際の導入判断については、現場の要件・ご予算・運用体制などを踏まえたうえで、総合的にご検討されることをおすすめします。


