Cat 6Aで実現するスマート&確実なMPTL配線:PANDUITの革新的ソリューション

🔧 はじめに:MPTL配線の現状と課題

📌MPTL(Modular Plug Terminated Link)とは?

MPTLは、図に示すように、パッチパネルやコンセントを介さずに、スイッチから機器(IPカメラやWi-Fiアクセスポイントなど)へ直接配線する構成です。
この配線方式により、設置スペースの制約を受ける環境でも、施工時間の短縮や部材の削減が可能になります。

特に、機器を高所や密閉空間に設置するケースなどにおいて、効率的かつ確実な施工方法として注目されています。

ただし、MPTL構成における伝送性能の保証には注意が必要です。TIA-568.2-DISO/IEC 11801などの規格では、MPTLリンクにおけるモジュラープラグの終端状態までを含めた測定手法が推奨されており、不適切なテスト構成では保証対象とならない場合があります。

PANDUITのCat 6A MPTLソリューションは、これらの国際規格およびFluke Networksが推奨する測定方法に準拠しており、現場での施工性を維持しながらも、正確なリンク性能検証と保証対応を両立する革新的なアプローチを提供します。

高所に設置される監視カメラなどへの直接配線に最適
MPTL構成は、パッチパネルやコンセントを省略することで、天井や壁面への施工をシンプルにし、設置工数を大幅に削減できます。

左:天井設置されたAP / 中央:施工中の現場 / 右:屋外の壁面に設置されたカメラ

✅ PANDUITのCat 6A MPTLソリューション:利便性と信頼性を両立

🔧 Panduitの現場成端対応コネクタ:2つの選択肢

PANDUITは、現場成端に対応しつつ、用途に応じて選べる2種類の製品を提供しています。

1. 🔌 FieldCord™ スプライス コネクタコード

狭いポートスペースにも対応する超小型RJ45モジュラープラグ

📌 超小型RJ45モジュラープラグを搭載したスプライス型成端コード:
監視カメラやアクセスポイントなど、ポートスペースに制約のあるネットワーク機器への接続では、標準サイズのプラグでは施工が難しいケースがあります。FieldCord™ スプライス コネクタコードは、こうした現場ニーズに応えるPANDUIT独自の成端ソリューションです。
小型化・柔軟性・施工性のバランスに優れ、狭小空間での高信頼な成端をサポートします。

特長:

  • 現場成端式のスプライスコネクタ + Cat6Aケーブル + 超小型RJ45プラグ
  • ポートスペースが狭いIPカメラ等に最適
  • 0.5m / 1m / 3mから選択可能
  • TGスタイル成端方式、EGPT圧着工具に対応
  • Cat6A, Cat6, Cat5e に対応

こんな場所に最適:

  • アクセスポイント
  • IPカメラ
  • ポートスペースが小さいネットワーク機器との接続

👉 アクセスポイントやIPカメラ等、小さなポートスペースのネットワーク機器との接続も「簡単確実」に!

2. 🛠️ RJ45 かんたん成端モジュラープラグ

📌現場での施工効率を高めるシンプル&高性能な成端ソリューション
標準サイズのRJ45プラグを採用した、現場での成端作業が容易な施工性重視タイプ:

現場での成端作業においては、正確性と作業時間の短縮の両立が求められます。
RJ45 かんたん成端モジュラープラグは、工具不要の2ピース構造繰り返し使用可能な設計により、施工者の負担を軽減しながら高性能なCat6A接続を実現します。
特に、工期が限られた現場や再施工が想定される環境で効果を発揮するプラグです。

特長:

  • 2つの成端プラグを含む最大90mの水平ケーブルで構成されるパーマネントリンクを構築可能
  • 成端が簡単で工期短縮に貢献
  • 高性能 Cat6A対応
  • コネクタとケーブルをシールド化すれば、ネットワークの品質やダウンタイムが操業に大きな影響を与えかねないノイズが懸念される分野でも、安心してご利用いただけます。

産業機器でノイズ対策に多く使用される二重シールドケーブルは外径が太くなりますので、一般的なRJ45シールドプラグに入らないケースがあります。パンドウイットの簡単成端シールドプラグはケーブル外径が9mmまで対応しています。2ピース構造で施工時間が短くなり、生産性の向上に貢献します。

🎥 動画で見る:現場での成端や施工手順を確認!

MPTL配線をより深く理解するためには、実際の成端作業や測定手順を視覚的に把握するのが効果的です。

以下の動画では、RJ45 かんたん成端モジュラープラグ(UTP/シールドタイプ)や、TX6A™ FieldCord™ の現場施工とテスト方法など、PANDUIT製品を活用した実践的な作業の様子をご紹介しています。

施工性や測定手順の流れを具体的に確認し、製品選定や施工準備の参考としてぜひご活用ください。

TX6A™ UTP Field Term Plug:製品構造と成端解説
FiberLert SFP QSFPテスト動画

TX6A™ UTP Field Term Plug(ストレートタイプ)の施工手順を、Panduit社のアプリケーションエンジニアによるデモンストレーション形式で解説した公式動画です。

RJ45かんたん成端モジュラープラグの構造や使用ツール、配線時の注意点などを、机上でのわかりやすい説明とともに紹介しています。PoE照明・無線AP・セキュリティカメラ等への施工用途にも対応します。

TX6A™ Field Term Plug(角度付き)配線・成端ライブ実演
FiberLert SFP QSFPテスト動画

この動画では、Panduit TX6A™ Field Term Plug(角度付き)の成端作業を、配線の配置ルールとともに実演形式で解説しています。
ケーブルのシールド処理やペア配線のコツ、EGPTツールによる圧着手順まで、
現場で役立つ工程をわかりやすく紹介しています。
RJ45の正確な結線に必要な成端ノウハウを習得したい方におすすめです。

TX6A™ Field Term Plug(シールド)成端デモ & 配線解
FiberLert SFP QSFPテスト動画

PanduitのTX6A™ Field Term Plug(シールドタイプ)に関して、導体ペアの色別配置や配線方向(白線は左・単線は右)など、
正確な成端に欠かせないルールを丁寧に解説。
ケーブルのスリーブ処理からEGPTツールによる圧着手順、
ラッチと配線ラベルの整合まで、施工者が押さえるべき基本動作を視覚的に確認できます。

🛡️ PANDUITによる信頼の保証- 施工品質を保証するための要件をご確認ください

優れた施工品質を実現するためには、信頼性の高いテスト機器適切な測定条件が欠かせません。

PANDUITでは、「FieldCord™ スプライスコネクター」や「RJ45かんたん成端モジュラープラグ」に対して、所定の条件を満たすことで製品保証を提供しています。

このセクションでは、
🔹 保証を受けるための要件
🔹 使用推奨機器と測定方法
などについてご案内しています。製品選定や施工準備の参考として、ぜひご確認ください。

⚠️ 保証を受けるための重要事項:

FieldCord™️ スプライス コネクタコード」および「RJ45 かんたん成端モジュラープラグ」の保証は、合格したパーマネントリンクもしくはチャネルのテスト結果に基づきます。

必要条件:

  • Fluke DSX-8000/5000シリーズなどの承認されたフィールドテスターの使用
  • 過去12ヶ月以内にFluke Networksによって校正されていること
  • 最新ソフトウェアを適用済みであること
  • DSXリファレンスモジュール(DSX-REFMOD)の使用
  • 適切なリミット規格(TIA Cat6A MPTL, ISO Class EA MPTLなど)の選択
  • "Shield Test"のON(シールドケーブル使用時)
  • HDTDRとHDTDXアナライザーの使用を推奨

✍️ 特に上記の「適切なリミット値規格の選択」は、使用するテストモデル(標準モデル/代替モデル)によって異なります。このあとの「チェックポイント」解説では、それぞれのモデルにおける構成例と推奨されるテストリミット規格をわかりやすくまとめています。施工前の確認にぜひご活用ください。


MPTL 測定のモデル選定に迷ったときのチェックポイント
(標準モデルと代替モデルの違い)

現場での配線施工においては、さまざまな制約条件が存在します。パッチパネルを経由せずにネットワーク機器に直接接続するダイレクトアタッチ構成(MPTL)では、終端側のスペース制限やテスト装置の物理的制約を考慮した、柔軟なテスト構成が求められます。

パンドウイットでは、こうした現場ニーズに対応するために、2つのMPTL測定アプローチを提供しています。どちらもTIAやISOの規格に準拠した測定方法であり、条件を満たすことで正式な保証対象となります。

🔷 標準モデル – 業界標準に準拠したテスト構成

パンドウイットが推奨する基本的なMPTL測定構成です。ANSI/TIA-568.2-DISO 11801 Class EA MPTLに準拠した形で、ネットワーク性能の信頼性を高精度に評価できます。

🔍測定目的
  ダイレクトアタッチ接続されたパーマネントリンク全体の性能評価

🧩 使用アダプタ
 メイン側:DSX-PLA001(パーマネントリンクアダプタ)
 リモート側:DSX-PC6A(パッチコードアダプタ)

📏 選択リミット
 TIA Cat6A MPTL または ISO Class EA MPTL

  • 接続形態:RJ45かんたん成端モジュラープラグなどを使用し、直接機器に接続
  • 特徴:終端のプラグ接続まで含めて測定可能。業界標準でもあり、フルーク・ネットワークスなどの主要テスト機器メーカーもこの構成を推奨しています。

🔶代替モデル – 制限のある現場に対応する柔軟な構成

物理的な制約により、標準モデルによる測定が困難な現場において、パンドウイットはチャネルアダプターと専用テストコードを使用したパーマネントリンク測定による代替モデルを提供しています。

🔍測定目的:狭いスペースにあるネットワーク機器と接続されたリンクの性能検証

🧩 使用アダプタ
 メイン側:DSX-PLA001(パーマネントリンクアダプタ)
 リモート側:DSX-CHA004S(チャネルアダプタ)+ FPS6X88TC(Cat6A プラグ–ジャック間テストコード)

📏 選択リミット
 TIA Cat6A パーマネントリンク
 ISO11801 PL2 or PL3 Class EA (+ALL)

  • 適用製品:FieldCord™ スプライスコネクタコード、または RJ45 かんたん成端モジュラープラグ
  • 特徴:パーマネントリンクの機器側端部(プラグ)は測定に含まれませんが、現場制約下での高信頼性テストとしてパンドウイットの正式な保証対象となります。

⚖ テスト構成の選択に関して

フルーク・ネットワークスは、業界標準に従い「MPTL測定の信頼性確保の観点から、PCA(パッチコードアダプタ)の使用が不可欠である」との見解を示しています。これは、終端のプラグを含めた正確な測定が可能であることから、より完全な評価が行えるためです。

一方で、パンドウイットでは標準モデルによる測定を推奨するとともに、現場環境に応じた柔軟な選択肢も用意しており、スペース制限や機器構造によりPCAが使用できない状況下においても、確実に性能を証明できる構成として、代替モデルを公式に提供しています。

✅ 結論

以下に、どちらのモデルを選ぶ際にも共通して重要となるポイントを整理しました:

  • 承認されたテスト機器(Fluke Networks DSX-8000/5000シリーズなど)を使用すること
  • 測定時に使用されるアダプターおよびテストコードが規格および構成に適合していること
  • 測定結果をパンドウイットの保証部門に提出することで、正式な保証対象となること

このように、設計条件や保証要件に応じて最適な測定モデルを選択することが、品質の確保とトラブルの回避に直結します。標準モデルでのテストが困難な現場でも、代替モデルによって保証可能なことがPANDUITの大きな利点です。


※ 本コンテンツは、Panduit手順書(PN654 v3.0)およびFluke Networks資料に基づいて構成されています。

📥 ダウンロード資料(詳細手順付き)

現場での対応や保証取得に役立つ構成資料です

📘 FieldCord™️ スプライス コネクタコードに関する測定手順

標準モデルでの測定が難しい現場でも、製品保証を得るための確実な手法があります。標準モデルでの測定が難しい現場でも、製品保証を得るための確実な手法があります。

📘 かんたん成端モジュラープラグに関する技術資料

フィールドでの施工性と信頼性を両立する「かんたん成端モジュラープラグ」の特長と測定手順がまとめられた資料です。現場での成端手順や、構成図、測定構成例を解説。

✅ 保証制度を活かすための要件の再確認

PANDUITのCat 6A MPTL配線ソリューションは、監視カメラやWi-Fiアクセスポイントなど、狭小スペースでの高品質な配線構築を実現します。
MPTL構成において求められる規格準拠の正しいテスト手順と、信頼性の高いメーカー保証制度を活用することで、確実で長期的なネットワーク品質を担保できます。


📩 お問い合わせ: https://www.panduit.co.jp/contactus/
🔗 製品情報: https://www.panduit.co.jp/