Ethernet通信は、一般的に1区間あたり約100mが標準的な伝送距離の目安です。
そのため、工場・構内設備・監視用途・インフラ設備などで100mを超える配線が必要になる場合は、中継機器の追加や光ファイバーへの切り替えが検討されます。

こうした場面で有効なのが、既設のメタル配線を活用しながら通信距離を延長できる
ギガビットエクステンダおよびイーサネットエクステンダです。

本資料では、両者の違い、使い分け、主な用途、導入時の確認ポイントを整理します。


なぜエクステンダが必要なのか

まず、なぜエクステンダが必要になるのかを整理します。現場でよくある課題をベースに、導入の背景を確認します。

現場では、次のような課題があります。

・LAN配線の100m制限を超えて機器を接続したい
・光ファイバーを新設するコストや工期を抑えたい
・既設の同軸ケーブルや2線式配線を活かしたい
・広い工場・構内・インフラ設備で通信を延長したい
・遠隔地のセンサーやカメラを低コストで接続したい

エクステンダは、「既存配線の活用」と「長距離通信」を両立するための手段です。


ギガビットエクステンダとは

ここでは、高速通信に対応したギガビットエクステンダの特徴と、適した用途について解説します。

既設の同軸ケーブルやギガビット対応ツイストペアを使いながら、高速通信を延長する機器です。

・最大1Gbpsクラスの通信に対応
・約1kmまでの延長を想定
・同軸・ツイストペアが使用可能
・PoL / PoE対応モデルあり
・映像・大容量データ用途に適する

※注意
通信速度は距離・配線品質・ノイズ環境に依存します。

離・配線品質・ノイズ環境に依存します。


イーサネットエクステンダとは

長距離通信に強みを持つイーサネットエクステンダについて、特徴と適用シーンを整理します。

2線式メタル配線を使い、長距離通信を実現する機器です。

・最大約20kmまで延長可能
・最大30Mbps程度
・電話線や既設銅線を活用可能
・SHDSL方式により安定性が高い
・制御・監視用途に適する

2線式メタル用途に適する


ギガビットエクステンダとイーサネットエクステンダの違い

両者の違いを、距離・速度・用途の観点から比較し、選定の判断ポイントを明確にします。

【比較表】

項目ギガビットエクステンダイーサネットエクステンダ
主な目的高速通信長距離通信
最大速度約1Gbps約30Mbps
最大距離約1km約20km
配線同軸 / ツイストペア2線式メタル
用途映像・データ制御・監視
給電PoL / PoEあり基本なし

主な用途

エクステンダが実際に使われる代表的な現場を具体例として紹介します。

・監視カメラの長距離接続
・工場・倉庫の離れた設備接続
・トンネル・道路・河川設備の監視
・アナログ設備からIP化への移行
・建屋間ネットワーク接続


主な通信技術

エクステンダで使用される代表的な通信技術について、ポイントを簡潔に説明します。

■ SHDSL
長距離伝送に適した通信方式で、ノイズ耐性が高い。

■ PoL(Power over Line)
通信線を通じて電力を供給する技術。

PoE(Power over Ethernet)
LANケーブルを通じて機器へ給電する技術。


導入前に確認したいポイント

導入後のトラブルを防ぐために、事前に確認しておくべきポイントを整理します。

・必要距離(実際の配線長)
・必要帯域(映像・制御など用途別)
・ケーブル種別(同軸・UTP・2線)
・ケーブル品質(劣化・接続状態)
・給電要件(PoE / PoL)
・設置環境(温度・ノイズ)


Cabling Cert Tech視点のチェック

既設配線を活用する場合は、事前の確認と測定が重要です。現場目線でのチェックポイントをまとめます。

既設配線を利用する場合、事前確認が重要です。

・ケーブル種別の確認
・導通・断線チェック
・配線長の把握
・ノイズ環境の確認
・PoE電力確認

エクステンダは、接続すれば必ず性能が出る機器ではありません。
距離・品質・環境条件の確認が成功の鍵となります。


導入メリット

エクステンダを導入することで得られる主なメリットを整理します。

・既設配線を活用できる
・工事コストを抑えやすい
・工期短縮が可能
・段階的なネットワーク更新が可能


注意点

導入時に見落としやすいポイントや、事前に理解しておくべき制約を解説します。

・距離と速度はトレードオフ
・配線品質に強く依存
・ノイズ環境の影響を受ける
・PoE利用時は電力設計が必要
・屋外環境ではサージ対策が必要


まとめ

最後に、用途別の選び方と導入判断のポイントを整理します。

ギガビットエクステンダとイーサネットエクステンダは、
Ethernetの100m制限を超えるための有効な手段です。

・高速通信を重視する場合 → ギガビットエクステンダ
・長距離通信を重視する場合 → イーサネットエクステンダ

実際の選定では、距離・帯域・配線種別・給電条件を整理し、
現場条件に適した構成を検討することが重要です。

詳しい製品の仕様はこちらからご覧いただけます。