本ブログは、フルーク・ネットワークスのブログ「What Is the Right Way to Test an MPTL?」(2023年8月22日 / 一般、設置と試験、ベストプラクティス)を、Cabling Cert Techにて日本語に翻訳したものです。翻訳内容に疑問点がある場合は、オリジナルの英語版をご参照ください。

本ブログは、フルーク・ネットワークスのブログ「What Is the Right Way to Test an MPTL?」    (2023年8月22日 / 一般、設置と試験、ベストプラクティス)を、Cabling Cert Techにて日本語に 翻訳したものです。翻訳内容に疑問点がある場合は、オリジナルの英語版をご参照ください。

ケーブリング・サート・テック
2025
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あなたが受け取った仕様書にMPTLが含まれており、それらすべてのリンク(MPTLを含む)が TIA    または ISO 規格に準拠して認証されていることが求められているとします。これはつまり、顧客や  メーカーが「MPTL」と記載されたテストレポートを求めているということです。

「MPTL」と記載された LinkWare™ レポートを取得するには、DSX CableAnalyzer™シリーズのテスターで、片側にパーマネント・リンク・アダプター(PLA)、反対側にパッチ・コード・アダプター(PCA)を使用してテストを実施する必要があります。その理由は?それが標準で求められている方法だからです。

MPTLは標準で認められた接続構成です

5年以上前から、TIA 568業界配線標準では、MPTLをアウトレットや機器コードの設置が非現実的   または安全でない場合の正規の接続手段として正式に認めています。MPTLは現在、ANSI/TIA-568.2-D に含まれており、ISO/IEC 技術報告 11801-9910 でも定義されています。今日では、PoE照明や  監視カメラ、Wi-Fiアクセスポイントなど、様々な用途で広く使用されています。

MPTLという言葉が業界に浸透する以前から、多くの設置業者は水平ケーブルをRJ-45プラグで成端し、直接デバイスに接続していました。この構成は、BICSI 005-2016の「電子安全・セキュリティ」標準で 「モディファイド1コネクタのパーマネント・リンク(modified one-connector permanent link)」として初めて文書化されました。その後、単なる名称の変化にとどまらず、MPTLをより正確に評価するための   新たなテスト手法が業界標準に追加されるようになりました。

チャネル・アダプターを使ったMPTLのテストは信頼性に欠けます

BICSIがこのMPTL構成を紹介した当初は、モディファイド1コネクタのパーマネント・リンク構成でテストする方法が推奨されていました。

この方法では、PLAを近端に、チャネル・アダプターを遠端に接続して測定を行います。しかしこの構成では、遠端の接続部分(=プラグとデバイスの接続点)がテストに含まれず、結果として過度に楽観的な測定値が得られ、実際の品質を正確に反映しないことになります。この方法によって、不適切な  成端が見逃される可能性があるため、実際の使用時にリンクが正しく動作しないリスクが生じます。

モディファイド1コネクタのパーマネント・リンク構成を使用し、遠端にチャネル・アダプターを接続して RJ-45でリンクを成端した場合、そのテストでは遠端の接続部(接続されたプラグとアダプターの結合点)が評価対象から除外されてしまいます。そのため、このテスト方法はリンク全体を正確に反映して  おらず、信頼性に欠ける手法とされています。この方法では、大きなヘッドルームを伴う楽観的な結果が得られる可能性があり、遠端のプラグ接続における不適切な成端が見過ごされるリスクがあります。

結果として、実際にデバイスを接続した際にリンクが正常に動作しない恐れがあるのです。

MPTLが業界標準として正式に認められたことで、より正確な新しいテスト手法の必要性が生まれました。テスト時に最終的なプラグ接続を評価に含めるため、TIA 568.2-D規格では、遠端にチャネル・  アダプターではなくパッチ・コード・アダプター(PCA)を使用することを推奨しています(下図参照)。また、ISO/IEC TR 11801-9910 でも第8節においてこのテスト手法が記載されています。            (このテスト手順の詳細については、Fluke Networksのナレッジベース記事をご参照ください。)

MPTL 接続例

PCAの使用は標準で本当に必須なのか?

PCA(パッチ・コード・アダプター)は、通常はパッチコードのテストに使用されるもので、メインユニットと   リモートユニットの両端にそれぞれ接続して使用します。ただし、すべての設置業者がパッチコードのテストを日常的に行っているわけではなく、PCAを所有していない場合もあります。そのため、一部のメーカーでは、従来の方法(PLA+チャネル・アダプター)によるMPTLテストを引き続き受け入れている場合もあります。この代替方法でデバイス接続を評価に含めるには、片側がモジュラープラグ、もう一方がジャックという  構成の、専用のフィールド終端プラグ用テストコードの使用が求められます。しかし、この種のテストコードは、品質や安定性の問題から、やはり楽観的な測定結果をもたらす原因になることが、業界の標準化  委員会で指摘されています。

メーカーが何を受け入れるかに関わらず、業界標準ではPCAを使用しないMPTLのテストは認められていません。フルーク・ネットワークスではこれらの標準に従っており、PCAを使わずに実施されたテストを「MPTL」としてレポートすることはできません。

すべての設置業者がパッチコードのテストを頻繁に行っており、常にPCAを手元に持っているとは限りません。そのため、フルークではPCAを2個セットで販売するだけでなく、単品でも購入できるようにして、より 手頃に導入できるようにしました。正確な測定を行うためには、使用するアダプターがテスト対象のリンクのカテゴリやクラス(例:カテゴリー6A/クラスEA)に一致している必要があります。もちろん、DSXシリーズの認証テスターには、MPTL専用のテストリミットも組み込まれています。

もしあなたがMPTLを日常的にテストしているのであれば(現在では多くの設置業者がそうです)、PCAに 投資する価値は十分にあります。そうすることで、お客様が水平ケーブルをデバイスに接続した際にリンクが正常に動作しないリスクや、試験結果が受け入れられないリスクを回避することができます。

📘 継続学習(Keep learning

最後までお読みいただきありがとうございました。完全版PDF「ブログ モジュラー・プラグ成端リンク(MPTL)をテストする正しい方法とは?」をダウンロードいただけます。

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