
Pro360™ タッチレスクリーナーとは?
Pro360™は、光ファイバー接続品質を確保するための次世代クリーニングデバイスです。
非接触方式を採用し、作業の安全性・効率性を飛躍的に向上させます。
光ファイバー接続の現場では、端面のわずかな汚れが通信障害の原因となるため、確実で高精度なクリーニングが求められます。
STICKLERS™ Pro360°™ タッチレスクリーナーは、こうしたニーズに応えるために開発された、非接触型のファイバー端面クリーニングツールです。
従来のクリック式クリーナーでは対応が難しかった端面全体の均一な洗浄を、専用洗浄液と圧縮空気の制御により数秒で実現。
端面に一切触れずに、油分・粉塵・静電気由来の微粒子を残さず取り除くことで、安定した通信品質を保ちます。
1台で複数規格( LC ‣ SC ‣ MPOなど)に対応できる柔軟性と、バッテリー駆動による高い携帯性を備え、
データセンター、CATV ‣ FTTx 構築現場、航空・防衛用途においても幅広く導入されています。
Pro360™ の主な特長とその利点
✔️ タッチレス構造
空気・洗浄液・空気の3層噴射構造で端面接触ゼロ。コネクタ端面を傷つけず、静電気による再汚染も防止。
👉「接触しない」という特長により、高価な機器の寿命維持や再洗浄リスクの回避につながります。
✔️ 360度全周洗浄
端面のコアから外縁までムラなく清掃。残留物の再付着を防ぎ、安定した信号品質を確保。
👉とくにFTTx現場や屋外設備において、ホコリや皮脂汚れの完全除去が求められる場面で有効です。
✔️ 複数サイズ対応
LC ‣ SC ‣ MPOなどに対応するチップ交換式。1台で多様な現場に柔軟対応。
👉部材統一や機器共有により、装備コスト・運搬負荷の軽減にも寄与します。
✔️ 高純度・高速乾燥洗浄液
IPAの8倍速乾。1缶で2,100回以上使用可。作業効率を高め、残渣ゼロで安全。
👉高温多湿や埃の多い現場でも洗浄後すぐ接続でき、作業時間短縮に直結します。
✔️ 軽量・携帯設計
約1kgのコンパクト本体。肩掛けストラップ付きで持ち運びも快適。
👉屋外、天井裏、電柱上などの特殊環境でも1人で運用可能。
✔️ 幅広い用途
通信・データセンター・航空インフラ対応。高精度作業が求められるあらゆる場面で活躍。
👉機器の信頼性や規格準拠が求められる現場で採用が進んでいます。


🧩 製品構成の紹介
Pro360™ タッチレスクリーナーは、持ち運びに便利な約1kgの小型筐体で構成されています。
本体には交換可能な洗浄液カートリッジを搭載し、ノズル部分はLC・SC・MPOなどに対応した交換式チップ構造になっています。
バッテリー駆動・AC電源の両対応により、現場での柔軟な運用が可能です。
また、収納ケースには本体・洗浄液カートリッジ・交換チップ・充電器がセットで収められ、現場作業での効率性も考慮されています。
MCC-P360 Sticklers Pro360°™ タッチレスクリーナーに含まれるもの:
- タッチレスクリーナーツール 本体 ×1
- ショルダーストラップ ×1
- 充電式リチウムイオンバッテリー ×2(品番:MCC-P360BAT)
- AC電源アダプターおよび国際対応プラグセット ×1(品番:MCC-360ACP)
- 高純度洗浄液カートリッジ ×1(品番:MCC-P360SOL-A)
- 1.25mm タッチレスクリーニングチップ ×1(品番:MCC-P360CT125)
- 2.5mm タッチレスクリーニングチップ ×1(品番:MCC-P360CT25)
- 取扱説明書 ×1

製品仕様・外観




Sticklers™ Pro360º™ のテクノロジー
Pro360º は、コアンダ効果(Coandă Effect)を応用した革新的な流体技術を採用することで、優れたクリーニング性能を実現しています。コアンダ効果とは、高速で流れる流体が周囲の表面に引き寄せられ、その結果として周囲との間に圧力差が生じるという流体力学の原理です。この独自の流体制御技術により、Pro360º は強力かつ精密にコントロールされたエアフローを発生させることが可能となり、コネクタ端面全体にわたって、ホコリや油分を効果的に除去します。
🧪 実証されたクリーニング性能
Sticklers™ Pro360°™ は、MicroCare社による長期検証により、一般的なクリック型クリーナーと比較して、より短時間かつ確実に汚れを除去できることが証明されています。
とくにコア周辺に集中する粉塵は、光の通信信号を直接的に障害する原因となりやすく、部分的な汚染は視覚検査で見落とされやすいため、しばしばトラブルの温床となります。
光ファイバー端面の汚染は、実際の現場環境において結露や接続作業中に付着する粉塵など、さまざまな要因によって発生します。
Pro360™ の洗浄性能を評価するため、ラボ内で人工的に複数の粉塵パターンを再現し、微細な粒子による汚染を端面に付着させた上で精密な検証が実施されました。
☀️ 実際の粉塵汚染の例

中密度型粉塵汚染(端面全体に平均分布)

高密度型粉塵汚染(外周部を含む広範囲)
☀️ 実際の皮脂(油分)汚染の例

低粘度皮脂汚染

高粘度グリース汚染
🔁 Before / After:洗浄後のクリッククリーナーとPro360の比較例
🧪 比較①:粉塵汚染のクリーニング結果

▶️ 従来クリッククリーナー使用後(粉塵)
外縁部に汚れが残留し、視覚上の「一見きれい」な状態でも再汚染リスクが残ります。

✅ Pro360™ 使用後(粉塵)
コア周辺だけでなく、シャンファー(傾斜部)や外周までクリーニングされ、粉塵が完全に除去されています。
🧪 比較②:油分汚染のクリーニング結果

▶️ 従来クリッカー型クリーナー使用後(油)
線状にこびりついた皮脂・グリースが多数残留。特に外縁部の除去が困難です。

✅ Pro360™ 使用後(油)
粘着性のある油分も含めて、端面全体が均一に清浄化され、信号品質に影響する残留物が一掃されます。
上記の比較に加え、接続コネクターごとの特性に着目した実証結果も紹介します
🧪 比較③: LC / UPCコネクタ端面に対する Pro360™ のクリーニング結果(実証試験)
🖼️ 例:Pro360™ による光ファイバー端面のクリーニング結果(実例画像)
以下の画像は、テスト対象となった端面において、2回の Pro360™ 洗浄により合格基準を満たした事例です。本検証は LC/UPC コネクタを対象として実施されたものであり、その前提のもとで汚染除去性能を視覚的に提示しています。
💨【粉塵汚染】洗浄前(左)と洗浄後(右)

▶️ 粉塵による広範囲汚染の端面(洗浄前)
微細な粒子がコア周辺およびフェルール外縁まで広がり、光信号の透過に深刻な影響を与える状態です。視認できるレベルでの広範囲な汚染が確認されています。

✅ Pro360™ 洗浄後の端面(粉塵除去)
2回のタッチレス洗浄により、端面全体がほぼ完全に清浄化。粉塵の残留は確認されず、視覚検査にもクリアな状態が得られています。
🛢️【油脂汚染】洗浄前(左)と洗浄後(右)

▶️ 皮脂・油膜による粘着汚染の端面(洗浄前)
高粘度の人工皮脂によって端面が広く覆われ、膜状の油分が強く残留しています。外観からも粘着性の高さがうかがえます。

✅ Pro360™ 洗浄後の端面(油脂除去)
Pro360™ による2回の洗浄で油分を完全に除去。滑らかで均一な端面状態が回復され、再接続に適したコンディションが確認されています。
LC と SC はフェルールのサイズや装着方式が異なるため、汚れの傾向や洗浄難易度も異なります。Pro360™は両者に対応し、多様な接続環境においても高い洗浄品質を一貫して実現しています。
✅ Pro360™ の粉塵・油脂除去性能に関する実証試験
Sticklers™ Pro360™ の性能は、MicroCare社が実施した長期検証と独自に設定された厳格な試験基準に基づき、実証されています。
評価は IEC-61300-3-35 Ed.2.0 よりも厳しい条件のもと、1.25mm LC コネクタを対象に行われました。各試験では、粉塵および人工皮脂による汚染に対し、合格基準に達するまでに必要な平均クリーニング回数を比較。さらに、端面全体の清浄性や残留物の有無(静電気・傷の発生)についても評価が加えられています。
この試験結果により、Pro360™ は 高精度かつ再現性の高いクリーニング性能を持ち、従来の一般的なクリーナーに対して明確な優位性を示すことが確認されました。
✅ 試験①:粉塵除去試験(3年間の比較データ)
項目 | 一般的なクリーナー | Pro360™ |
合格までの平均クリーニング回数 | 約3.1回 | 約1.1回 |
👉 Pro360™ は約 1/3 の回数 で合格基準をクリア。
再洗浄リスクを低減し、作業時間と洗浄液の消費を大幅に削減します。
✅ 試験②:皮脂(人工皮脂)除去試験
項目 | 一般的なクリーナー(コアのみ) | Pro360™(端面全体) |
---|---|---|
合格までの平均クリーニング回数 | 約1.1回 | 約1.8回 |
👉 一見、Pro360™ の方が回数が多く見えますが、洗浄対象が「コア周辺のみ」ではなく「端面全体(フェルール外縁まで)」に及ぶためです。
📌 他製品では落としきれない 外周部の皮脂や微粒子まで徹底的に除去。
つまり、回数が多いのは“仕上がりの質が高い証拠”といえます。
💡 結論として…
- ✅ Pro360™ は、目に見える粉塵にも、目視困難な皮脂汚れにも確実に対応
- ✅ 接触せずに360度を洗浄する構造により、精密機器の寿命延伸・通信品質の安定化に貢献
🔍 なぜ周辺部のクリーニングが重要か?
光ファイバー接続の信号はコア領域を通って伝送されますが、実は“端面の周辺部”の清浄度も、接続品質に大きく関わっています。
■ 汚れは“外”から“中”へと移動する
端面の外縁やシャンファー、フェルール端に残った油分・埃・皮脂などの微細な汚染物質は、振動や接続・切断の繰り返しによってコア領域に移動し、接触部に影響を与えることがあります。
✅ 接続初期は良好でも、時間の経過とともに信号劣化が起こるケースもあります。
■ コア領域だけでは「安全」とは限らない
多くの従来型クリーナーは「コア周辺のみ」を対象としており、周辺部の汚染が残ってしまうことが少なくありません。
事実、 IEC-61300-3-35 のような合否判定規格でも、接触エリア以外の汚染は“合格”と判断される場合があります。
✅ しかし、運用現場では「合格」でも長期的な安定性を欠くことがしばしば問題になります。
■ Pro360™ の360度フルクリーニングが解決
Sticklers™ Pro360™ タッチレスクリーナーは、空気圧と洗浄液を利用した非接触・全周洗浄により、端面全体の汚れを除去。
外縁部までしっかり清浄に保つことで、再汚染・再接触・信号劣化のリスクを根本から防止します。
📌 業種別のクリーニング完全性が求められる理由
▶ 通信キャリア( 5G / データセンター)
- 微細なノイズ干渉が QoS (サービス品質) に影響。
- 接続障害を起こすと SLA違反・損害補償のリスク。
▶ 放送・CATV・中継設備
- 中継ミスや映像断絶は信用失墜に直結。
- 接続再試行の時間ロスが命取りに。
▶ 航空・防衛・インフラ設備
- 安定稼働が安全保障や人命の維持に直結。
- 一度の信号遮断も致命的エラーに。
✅ こうした分野では、“たかが微細な汚れ”が重大トラブルの原因になり得るため、端面全体の完全なクリーニングが求められています。
💡 出典・参考資料
本ページに掲載されている試験データ、評価画像、構成仕様の一部は、MicroCare社が提供する公式テクニカルレポート(英語版)に基づいて構成されています。記載内容は、Sticklers™ Pro360°™ の製品検証結果を日本市場向けに再構成・編集したものであり、解釈や表現に若干の翻案を含みます。
原典名:Technical Report – “Performance Evaluation of Sticklers™ Pro360° Touchless Cleaner” (2023 Edition)